歯周病と生活習慣病
近年、歯周病がさまざまな全身の病気(糖尿病、心筋梗塞、狭心症、高血圧症、脳梗塞、肺炎、早産、低体重児出産など)と関連があることが多くの研究からわかってきました。
原因は、歯周病菌や歯周病組織から産出される酵素類や炎症性サイトカインが、血行を介して血管壁や気管支などに定着し、全身疾患に影響を及ぼすことによります。
歯周病と糖尿病
糖尿病患者の約8割には歯周病の症状があり、糖尿病の症状の悪化が加速度的に歯周病の症状を悪化させることが多く、反対に歯周病の治療を行うことにより血糖値が改善されるということがしばしば見られます。
これは、歯周病菌の毒素が作る「TNF-α」という腫傷壊死因子が、血液中に入るとインスリンの働きを阻害し糖尿病を悪化させ、糖尿病による免疫機能低下や唾液の分泌不足による口の乾燥が歯周病菌を繁栄させ、歯周病を悪化させているからです。
※糖尿病治療を受けていて、歯周病を患っている方は、歯周病治療を並行して受けることをお勧めします。
歯周病と虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)
心臓の冠状動脈の内皮に取り付いた歯周病菌が粥状の塊を作り、血管を徐々に狭め、心筋梗塞や狭心症の発作を招きやすくなります。1997年に発表されたアメリカにおける疾学調査では、歯周病罹患者は健康な人に比べて約3倍の高い頻度で心臓発作を起こしていることがわかりました。
歯周病と脳梗塞
歯周病菌によって作られた粥状の塊が、脳の血管に詰まると脳梗塞の危険が高まります。また、心臓内や頚動脈にできた血栓が血液の流れに乗って進み、脳の血管を閉塞させてしまう脳塞栓(のうそくせん)への関与も疑われます。